article_image
interview

一歩目の踏み出し方は、私が決める。モデル・浅野美奈弥が「どん底」から学んだこと

SHARE:
URLをコピーしました


タイムラインに流れてくる、「あの人」のおしゃれな生活。どうしてあんな、健康的な生活ができるようになったんだろう。そんなコンプレックスにも似た感情を抱いているとき、あるひとに出会った。

浅野美奈弥。彼女の本業はモデルだ。しかし、プロの料理家、マラソンランナーとしての顔を持ち合わせ、「運動」「食」を仕事に取り入れることで、ポジティブに向き合うことに成功している。

どうして、健康も仕事も、自分の納得できる環境を妥協なく作ることができたのだろうか。浅野さん、教えてください、めんどくさがりな僕に。



モデルを目指し上京も、やりきれない毎日


北海道で生まれ育った浅野美奈弥が、モデルを志したのは高校時代。学校の先生の紹介で、東京にあるモデル事務所のスタッフに声をかけてもらったことがきっかけだった。

子どもの頃から好奇心旺盛だった彼女は、「モデルになる」ことよりも、きらびやかな東京の生活に憧れを持ち、上京。大学在学中から、モデル業をはじめた。

しかし、モデルの世界は想像以上に厳しかった。週に何十本ものオーディションを受けても、1つ受かればラッキーという結果が続く。大学を卒業しても、その状況は変わらなかった。「自分には魅力がないのか」と落ち込む毎日だったが、一度憧れた世界への憧れを捨てきれず、毎日オーディションに向かい続けた。



一方で、仕事が決まらないストレスは少しずつ溜まってく。20代前半の彼女は過度なダイエットや恋愛によって、日々のストレスを解消していた。

ダイエットといっても、健康的な食事管理などではなく、ただ「食べない」など、かなり極端なもの。思い返すと無理をしていたことは明白なのだが、当時は「これがプロのモデルなんだ」と言い聞かせることで、自分を納得させていた。

プライベートにおいては、「彼氏が途切れたことがなかった」と語るほど、恋愛体質だった。仕事が決まらずに暇が生まれると、どうしても恋愛で承認欲求を満たしてしまう自分がいた。


停滞感のなか襲った、突然の「事件」


仕事もうまくいかず、過度なダイエットや恋愛で孤独を解消する…。そんなやりきれない日々を送っていた20代前半、度重なる不幸が彼女を襲う。過度なダイエットと不規則な生活が原因で、体調を崩し入院。それと同じころ、当時付き合っていたひとが突然の失踪を遂げる。

あれよあれよという間の出来事に、怒りや悲しみを通り越して、脱力感が全身を襲った。

「一瞬で空っぽになってしまった。どうしていいかわからなくて、全てを投げ出して北海道に帰ることも考えていました」


人生を変えたフルマラソンとの出会い


一方で、時間が経つにつれ、前を向こうとしている自分もいた。

過去と決別し、新しい自分を力強く生きていくための軸がほしい。本業としていたモデルに固執せず、自分の琴線に触れたものはなんでも挑戦した。自分はもしかしたら接客が向いているのかもしれないと思い、いままで見向きもしなかった職業にもチャレンジした。

模索のなかにあっても、自分の殻に閉じこもらず、なんでもやりたいことは友人や家族に相談した。「そんなの無理だよ」と厳しいフィードバックがあったとしても、その意見を参考に不安要素を消していき、挑戦していった。

「振り返ると、自分が少しでも早くポジティブに行動できるよう不安要素を消していくのが私の歩き方なのかもしれない。人には不安ばかり話すからネガティブなんて言われることもあるんだけど、自分のなかでは作戦を明確にしている感覚なんだよね」



そんな模索の末、挑戦したものの1つがマラソンだった。現在もメンバーとして活動するELLEgirl UNI(エル・ガール ユニ)の企画として声を掛けられたが、最初はあまりモチベーションが湧かなかった。学生時代から運動嫌いで、「3キロ以上走ったことがない」ほど縁遠い存在だったからだ。

それでも、「いつも健康的でポジティブな友達って、みんな運動してるなぁと思って」初めてみることに。当初はハーフマラソンでの挑戦を打診されたが、「どうせ走りきれないなら、フルマラソンに挑戦したい」と志願。3ヶ月間の練習に打ち込んだ。

結果は、見事完走。「走りきれた」だけでなく、想像を上回る記録での完走だった。

「走りきった瞬間、私にもできるんだと、全てを失ったあとの自分に欠けていた確かな自信が戻ってくるのを感じました。モデルの仕事も、そうじゃないことも、新しいことにどんどん挑戦していこう、と前向きになれるきっかけでしたね」


大胆なようで戦略家。原動力は「小さい挑戦」


ランニングの習慣が身についたことで、関心を深めていったのが「食」だ。独学で食の勉強をはじめ、フードスタイリストやダイエット検定1級などの資格を取得。

現場経験を積むために、モデルの現場にケータリングを持っていく料理家のアシスタントになった。新しいことに取り組む一方で、「モデル」を諦めたわけではなかったのだ。

「知り合いのモデルが現場にいたとき、『あれ、美奈弥ちゃんモデルやめたの?』と言われてめちゃめちゃ悔しかった。でも、いまはモデルとして現場に立てなくても、裏方として現場に関わることは、絶対にいい作用をもたらしてくれると思っていました。」



そこから1年、彼女はモデルとしての再出発を果たす。2018年7月には料理家としても独立し、ケータリング「美菜屋」を開業。モデルとして活動する一方で、裏方として現場を支えている。

「モデルとして現場に行ったときには美菜屋の営業を。ケータリングとして現場に行ったときは自分の営業を。両方がうまく噛み合ってる感覚があります」



体調を崩してしまったことや、信じていた人からの裏切り。「どん底」を経験した彼女は、階段をいちから積み上げていくことで、新たな自分の軸を見つけていった。

だから決して突拍子もないチャレンジを始めたりはしない。モデルの延長線上にある「マラソン」という企画や裏方の仕事など、目の前にある世界のなかから、自分の可能性を感じることをなんとなくはじめてきた。

「仕組みがわかって、自分のやりたいことと噛み合ったら、小さくやりはじめるのは1つの手かもしれないですね。美菜屋を始めたのも、ケータリングでやっていく仕組みがわかっただけでなく、『アトリエを持ちたい』というちょっとした欲望があったんです(笑)」



「いま、興味があるのはマネジメント。美菜屋で働いているメンバーにはモデルの女の子がいるので、その子たちと一緒に新しいことに挑戦していきたい。また、現状に停滞感を感じている子がいたら、ちょっとしたきっかけで人生は変わると伝えていけたらいいですね」




MAKING

インタビューや撮影のオフショットをインスタで公開中!

POSTED

2020-03-16

CATEGORY

interview